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【感想】インストール

インストール (河出文庫)インストール (河出文庫)
(2005/10/05)
綿矢 りさ

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今回買ったのは文庫版。


芥川賞をとった作品と思って買ったけど、これはデビュー作であって芥川賞は次の作品だった。ただ、文藝賞をもらってるので評価されるだけの面白さはあるんだろう、と思う。

ということを踏まえて書くけれど、個人的には今ひとつだった。世間の意見と違ってしまうけれど、個人的には非常に物足りない展開とオチで、「えー? こんなもんなのー?」と思ってしまった。ボリュームもそれほど多くなく、書き下ろしの短編を加えても170ページちょっと。

おそらく、こういう一般文芸とラノベは読み方が違うんだと思う。というのも、最後の解説文(ハードカバーが文庫化されると作者以外の人による解説文が数ページ程度掲載されていることが多い)で文章の美しさを指摘していたから。

俺が小説を読む際には設定とか話の展開とかを気にしてしまうので、どうしても『文章の美しさ』というのは二の次になってしまう。おそらくラノベを読みすぎたからこその弊害だと思う。俺の嗜好も関係してるかもしれないけれど。

なので、文章は美しいのかもしれないけれど、そこを重要視してない俺としては設定やストーリーを気にしてしまい、結果として『物足りない』という評価になったのかもしれない。


ストーリーは学校をドロップアウトすることを決めた主人公・朝子はゴミ捨て場で出会った小学生・かずよしとコンピュータでボロもうけを企てるというもの。作品が発表されたのが2001年なので、当時はまだWin95が主流でADSLすらそれほど普及してなかったはず。となればこれはかなり斬新なテーマを扱った作品なんじゃないか。

当時がどういう社会情勢だったかよく思い出せないが、昭和の価値観が崩れ始めてネットが普及し始め、引きこもりや仮面夫婦のような社会の個人化(今風に言えば無縁社会化)が進展しつつある状態だったように思える。そんな社会の波に乗って高校生のリアルっぽい感情を描けたからこそ話題になったんだと思う。作者が若かった(当時17歳だっけか)というのもさらに加速させる要因だと思う。

けれど、ストーリーとオチが個人的には今ひとつだった。冒頭で書いたように、この作品では主人公が早々に引きこもってしまう。となると如何にそこから立ち上がるかということが物語のメインテーマになると思ってしまうんだけど、それほどはっきりと描かれなかった。

ボロもうけを企むあたりまではそこそこ面白かったけれど、その内容が主人公の成長に直接関わるわけでなく、終盤で立ち上がるにしても割と唐突に感じてしまった。成長物語の場合、何か事件が起きたりするとそれが直接的か間接的かに関わらず主人公を成長させる一因になると思うんだけど、この場合は特にそういうことが無かったように思える。

朝子もかずよしも現状にそれぞれ問題を抱えてたりするんだけど、それに対して直接何かするわけではなく、目を背けていたら問題が明らかになってしまって、「さてどう解決するのか」と思っていたら解決せずに終わってしまった。問題が明らかになる場面は盛り上がったけれど、唐突だった上にそれほど盛り上がらなかったので、さらに消化不良な感覚に。なんじゃこりゃ。


というわけで、設定や題材は斬新だったし、文章も美しかった(のだと思う)けれどもストーリー展開やオチが個人的に今ひとつだったので、全体としての評価もそれほど高くつけられなかった。完全に好みの問題だと思う。

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